この話はもうかれこれ1年近く前の話です。今も毎日の子育てに疲れた時などに、頭の中で繰り返し思い出すことがあります。
それは、こどもが楽しく遊んでいる時に「もったいない(からやめなさい)」と言わないことです。
我が家の次男はお風呂が大好きです。
他の遊びに夢中だったり、おやつを食べたいとごねることはありますが、「お風呂へ行くこと」は嫌がりません。
しかし、一時期お風呂が嫌いな時期がありました。
お風呂は毎日のことです。夕方の疲れている時に脱衣所でギャン泣きされると、余計に疲れます。
新しいおもちゃを買ってみたり、毎日違う入浴剤を選んでもらったり、様々工夫しました。
そして、いろいろやってもダメな時にシャワー遊びを解禁しました。よほど楽しかったようで、次の日もその次の日もシャワーで遊びたがります。
お風呂に入ってくれるのは良いのですが、今度はお風呂から出るのを拒否するようになりました笑
そして、毎日毎日シャワーで遊ぶので、だんだん「今度の水道代、大丈夫かしら…」と心配に。シャワーから出る湯量を気づかれないように減らしたり、使っていない時にこまめに止めたりしていました。
でも、途中で止められたりすると怒るんですよね。そして、余計お風呂から出たがらず、手を焼いていました。
わたしの頭の中は水道代でいっぱいです。1分でも早くシャワー遊びをやめさせたくて、無理やりシャワーを取り上げたことも多々あります。
怒って泣いている次男を強引にお風呂から出すのはかなりの重労働で、困っていました。
そんなある日、夫が次男と一緒にお風呂に入っていました。いつも通りお風呂へ行き、一通り洗った後、シャワーで遊んでいました。
そして、夫が先に出てきます。
「もう少し遊んだら出ようねとお話したよ」と。
一歩引いた目でみると、目をキラキラ輝かせてとっても楽しそうに次男は遊んでいました。洗面器にお湯をいっぱい張ってみたり、コップですくってみたり。
そして、満足に遊べたからか、あるタイミングですっとシャワーを止めて、ひとりでお風呂場から出てきました。もちろん泣きませんし笑顔で出てきたのです。着替えもドライヤーも手間なし。
この時の夫との会話で、わたしの考えが変わります。
「最近シャワー遊びがすごい好きで、毎日やりたがるんだけど、だんだん水道代が気になっちゃって。無理やり取り上げたりしていたんだ。」
と話しました。
すると、夫は
「俺の釣り代に比べたら、水道代はたいしたことないよ。一生続くわけじゃないし、これでお風呂に入れる苦労が減るならいいんじゃない?釣りに1回行かなければいいだけだから」と言ってくれました。
もちろん節水の意識はとても大切です。限りある資源を不必要に使うのは良くないことです。
しかし、金額の面だけで言えば「たいしたことじゃない」と言ってくれたことに、ふっと心が軽くなりました。
お風呂に入れる労力を労ってくれたこと、そのための金銭的負担であれば問題ないと言ってくれたことがとても嬉しかったです。
それと同時に、自分でシャワーを許可したのに、都合が悪くなったら勝手にダメとしたのは、わたしのエゴだなとも感じました。
子育てをしていると、こどもの行動に「もったいないからやめて!」と言ってしまうシーンが多々あります。画用紙や折り紙を無駄遣いしているように感じる場合でも、こどもにとっては無駄遣いではないのです。
「上手に絵が描けなかったら、描けるまでどんどん新しい画用紙を使っていた」
「折り紙をのりでつなげたら楽しくて、いっぱいつなげてみた!」
興味の赴くまま行動すること、できるまで努力すること。それはとても素晴らしいことですよね。
この「お風呂でのシャワー」をきっかけに、日々の子育ての中で「もったいないからやめなさい」はやめました。
とことんやらせてあげること、今はとても大切にしています。